むせかえる草に、雨に濡れたアスファルトの匂い。そして・・・印象的なシトラス
の香り。
遥かに昔の想い出が、懐かしい匂いや香りによって、一瞬の隙をつかれては、
フラッシュバックされていく。
それは苦しくて、切なくて。心のずっとずっと奥底に、鍵をかけて閉じ込めていた
感情。
言葉にしてはいけない言葉。
大人になるという事は、つまりはそういう事なのかもしれない。
この世に偶然なんてものはなくて、全ては必然として起こるもの。
出会えた事は、奇跡なんかではなくて。
共に過ごした時間は、悪戯でもなくて。
そして今、こうして異なるベクトルを歩いている、という事が私にとっての確かな
真実。
哀しい記憶も感情も、無理に手放そうとは思わない。全てをただ、あるがままに
受け入れていく。
今の私をつくってくれた、大切な想い出たち。どんなに胸が痛んでも、それは私
に必要な糧となっていくものなのだから。
それでも、時には想いに囚われて、身動きできなくなる事もある。
そんな日は、そっと目を閉じて、ただ深呼吸を繰り返す。
胸いっぱいに広がった感情を大気へと解き放つように。
ゆっくりと、ゆっくりと。
一期一会の世界。もう、逢える事はないのかもしれない。
だからこそ、心の奥底で祈る。
あなたがいつも、幸せでありますように。
たくさんの光が、あなたに降注ぎますように。
どうか、届きますように。
どうか、どうか・・・
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